結論から: 外洋では旅行用eSIMは一切つながりません
サントリーニ島の沖合5キロに船がいるとき、スマートフォンが届く範囲に携帯基地局は存在しません。CheapereSIMが販売するものを含め、旅行用eSIMはすべて地上の通常回線に接続します。海岸線が遠ざかれば、電波も消えます。クルーズ中どこでも使えると謳う旅行用eSIMがあれば、それは衛星機器の話か、細かい注意書きを読まれないことを期待しているかのどちらかです。
ただし話はそこで終わりません。7泊の一般的な行程では、ほとんどの日に6時間から10時間を陸上で過ごします。その寄港時間こそが、安価な現地データプランで数万円を節約できる場面です。
洋上でもアンテナが立つ理由と、それが高くつく理由
クルーズ船は衛星回線につながった小型の基地局を船内に積んでいます。これはCellular At SeaやMaritime Telecomといった名前の正規のネットワークとして電波を出すため、スマートフォンは海外の通常キャリアとまったく同じように扱います。
問題は料金です。船上ローミングは一般に1メガバイトあたり5ドルから10ドルで課金されます。SNSを1分眺めるだけで10MBは動きます。写真を2、3枚アップロードすれば、寄港地のツアー代を超えることもあります。クルーズ後に届く高額請求のほとんどは、意図的な通信によるものではありません。アプリのバックグラウンド更新、クラウドへの写真バックアップ、そして深夜に勝手に先読みダウンロードを始めたポッドキャストが原因です。
本当に効く設定
- 乗船前に、普段使っている回線のデータローミングをオフにします。請求に気づいてからでは遅すぎます。
- ネットワークの自動選択をオフにして、船内ネットワークに勝手につながらないようにします。
- 航行中は、機内モードにしてWi-Fiだけをオンにするのが最も安全な状態です。
- iCloud写真とGoogleフォトのモバイルデータ経由のバックアップを無効にします。
- Wi-Fi通話はオンのままにしておきます。船内Wi-Fiを購入した場合、通話やSMSが携帯網ではなくWi-Fi経由になります。
旅行用eSIMが本当に役立つ場面: 寄港日
タラップが降りて街へ歩き出した瞬間から、あなたはほかの旅行者と同じ陸上の利用者であり、その国の通常のデータプランが適用されます。船会社があまり触れない部分です。船内パッケージは使っても使わなくても日単位で課金されるからです。
旅行用eSIMはこのリズムに向いています。出発前に一度インストールしておけば、必要になるまで休眠したままだからです。銀行の認証コードや家族からの連絡のために普段の番号はそのまま生かし、データだけを現地プランに流せます。ターミナルの店舗に並ぶ必要も、パスポート登録も、売店を探して観光を切り上げる必要もありません。
地中海クルーズ
西地中海クルーズの多くは、1週間で3、4か国を回ります。イタリアのプランならチビタベッキア、ナポリ、リボルノをカバーでき、1ドルから利用できます。東地中海の航路は島の寄港地ではギリシャ、クシャダスとイスタンブールではトルコが中心になります。アドリア海の航路はドブロブニクとスプリットに寄るためクロアチアのプランが活き、バルセロナやパルマ発の場合はたいていスペインから始まります。
行程が3か国以上にまたがるなら、国別の合計額と地域プランをヨーロッパeSIMのページで比べてから購入してください。
カリブ海とメキシコ
カリブ海の行程は島ごとに市場が異なるため、1つのプランでは覆いにくくなります。バハマは7.10ドルから、ジャマイカは1.28ドルから、メキシコはコスメルとコスタマヤを1ドルからカバーします。北米のハブページに取り扱いのある島をすべて掲載しているので、推測せずに自分の寄港地リストを確認できます。
北欧とフィヨルド
フィヨルドクルーズは航路の大半で陸地の近くを進むため、1ドルからのノルウェープランは岸壁を離れてもしばらく電波を保つことが多いです。レイキャビクに寄る大西洋横断の回航航路ではアイスランドと組み合わせます。
eSIMは1枚か、複数か
目安は単純です。2か国以下なら国別プラン。1ギガあたりの単価はほぼ常にこちらが安くなります。3か国以上なら、まず地域プランの価格を確認します。クルーズ中のデータ使用量は通常の旅行より少なめで、陸上で電波があるあいだに地図を見て、グループに連絡し、写真を何枚か投稿する程度です。多くの人は寄港日あたり300MBから500MBで足り、ギガ単位は必要ありません。
船内Wi-Fiと寄港地eSIMは役割が違う
船内Wi-Fiは、洋上で仕事をする、ビデオ会議に参加する、24時間連絡が取れる状態にしたい場合には買う価値があります。衛星経由なので陸上のどのサービスより遅く高く、動画配信は制限か遮断されるのが普通です。
寄港地eSIMは、旅の中でいちばん安く済む部分だからこそ価値があります。実際に陸で過ごす時間に対して陸の価格を払うだけで、リアルタイムの地図、配車アプリ、ツアーが長引いたときに船へ電話する手段が手に入ります。
そのまま使えるシンプルな段取り
- 出発の2日前に、行程のすべての国のeSIMをインストールし、QRコードが通ったか確認します。
- 普段の回線のデータローミングとネットワーク自動選択をオフにします。
- 洋上ではスマートフォンを機内モードにし、船内Wi-Fiを買っていればそれだけオンにします。
- 各寄港地では、上陸したらすぐ該当するeSIM回線をオンにします。
- 船に戻ったら、岸壁を離れる前にもう一度機内モードにします。
この手順なら1か国あたり数ドルで済み、帰国して4週間後に届くローミング請求という、誰も欲しがらない唯一の土産物をなくせます。寄港地のプランは各destinationページで確認し、荷造りの前に準備しておきましょう。